Quantcast
Channel: STANDiary
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10

3つの”イッテンヨン”

$
0
0
2014年1月4日(土)新日本プロレス“WRESTLE KINGDOM 8”@東京ドーム Krush “Krush.36”“Krush.37”@後楽園ホール UFC “UFC FIGHT NIGHT 34”@シンガポール/マリーナベイ・サンズ「1.4」と書いて「イッテンヨン」と読む。このプロレス式、というかもとは古舘式日付読みがオールドプロレスファンにとってはスタンダードとなっている中で、特にこの「イッテンヨン」は最もポピュラーな一日だ。イッテンヨンのプロレス詣で。社会人の仕事始めに当たるこの日は、大方のサラリーマンにとっては新年の挨拶回りで昼から酒を飲み午後の適当な時間にはノーリターンで解散できる日なので(私のサラリーマン時代はそうだった)、その足で東京ドームに向かい新日本プロレスを観るのがプロレスファンの大事な年中行事のひとつになっている。かつては当たり前のように超満員に膨れ上がっていたイッテンヨンの東京ドームがキャパ半分ほどに落ち込んでいた苦境期があった。ちょうどK-1、PRIDEが地上波ゴールデン枠で放送されていた大型格闘技大会最盛期のこと。何度もイッテンヨン大会撤退の噂が囁かれたことがあったが、それでも新日本プロレスは継続してみせた。そして時は進み、いつしかK-1もPRIDEも日本からいなくなってしまった。あれだけ大きな会場でたくさん開催されていた興行がなくなり、テレビからも消えてしまうとは。多くのプロレスファンをかっさらった大型格闘技亡き後に、取り残されたファンはどこに向かえばいいのか。そこでホームカミングが始まった。私はそう見ている。そして私もその一人だ。スタジアムクラスで数万人が集まるビッグイベントに身を置く喜びは格別である。K-1やPRIDEで味わってきた空間は、もともとは新日本プロレスが創造したドームプロレスから始まっている。かつて超満員の東京ドームでウェーブを起こしたオールドファンの多くは、今のプロレスが”最強=キング・オブ・スポーツ”を決めるものではないと分かっていても、自分の青春と共にいたプロレスの味を覚えている。東京ドームの真ん中に四角いリングがある、その風景があるだけで心がうずくのだ。 2014年のイッテンヨン@東京ドームは明らかに一年前より客の数が多く密度が濃かった。主催者発表で35,000人、満員。スタンド席は1F、2F共に両端の数ブロックを残して見た目ビッチリ。これにあと外野席とバルコニー席が埋まれば全盛期を取り戻せる。どうせなら超満員の会場にいたいに決まっている。欲を言えばウェーブも起こしたい。今のプロレスでこれができたら、新日本プロレスは新たな黄金期を築いたことになる。 5時間に及ぶ大会で目を見張ったシーンは、オカダ、後藤vs柴田、棚橋入場時のマーティー・フリードマンによるギター生演奏、グレイシーの道着使用反則。一番盛り上がった瞬間はメインの立会人として登場したスタン・ハンセンのウィー大合唱だった。過去の歴史を踏まえた上で現代流のプロレスを価値づけするという大きな課題と真っ向で取り組む新日本プロレスをもちろん応援していきたい。実はまだ「イッテンヨン」はある。プロレスのみならず、格闘技でもイッテンヨンは闘い始めなのだ。東京ドームのすぐ隣り、聖地・後楽園ホールではK-1ルールを継承したキックボクシング『Krush』が、今年はなんと昼夜ダブルヘッダー興行をやってのけた。全日本キック時代からイッテンヨンに後楽園興行を開催してきたが、数度のお休みを経てここに復活。 K-1がなくても、キックボクシング界はもともとの身の丈にあった最高に適した場所で各団体が創意工夫を凝らし確かな熱を生み続けている。そして日本から海を渡るも時差わずか1時間のシンガポールでは、イッテンヨンにUFC初開催。日本から川尻達也、菊野克紀、清水俊一、国本ストラッサー起一と4選手が一挙参戦を果たした。『UFC FIGHT NIGHT』シリーズの今大会はノーテレビ、ネット配信オンリーという新施策だったが、今や絶対的MMA権力となったUFCで日本人が活躍する姿を応援したいに決まっている。再注目の川尻はブランクが心配されたがフェザー級に転向してからの神がかったような強さは健在。しっかりとタップアウトを奪い、タイトル挑戦をアピールしてみせた。 UFCはまだ今年の日本開催が発表されていないのが気になるところだが、まさか来年はイッテンヨンに日本大会が実現したりして?w かつて戦極とハッスルがさいたまスーパーアリーナでイッテンヨン同時開催したことがあった。イッテンヨン、プロレス格闘技初詣闘い始め。歴史と共に想いあり。そしてイッテンヨンの永続を求む。プロレス格闘技ファンの手帳には、”イッテンヨン”に永遠に予定あり、だ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 10

Latest Images

Trending Articles