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才色兼備なWWEの現在進行形

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WWE presents RAW WORLD TOUR 2011 2011/11/30、12/1@横浜アリーナ年に一度のお楽しみ、WWEの来日興行が忘れえぬ思い出の地、横浜アリーナに帰ってきた。そう、まだ“WWF”だった時代、地上波放送で火がついた勢いそのままに日本上陸を果たし、ザ・ロックをはじめとするテレビで見たスーパースターたちの一挙手一投足に盛り上がりまくったあの場所に・・・・・・あれからちょうど10年、FがEになり、リングに立つ顔ぶれもがらりと変わったが、世界最高団体が披露するレスリングエンターテイメントの基本はまったく変わっていない。なぜ今もなおビジネス的成長を重ね、世界中に“ユニバース”と呼ばれるファンを増やし続けているのか、WWEというブランドの揺るぎない理念を教えてもらった気がした。WWEの典型的なイメージはレギュラーのテレビショーで見せるド派手なステージ演出やスーパースターたちのマイクアピールやバックステージトーク、乱入混じりの抗争劇などが思い浮かぶだろうが、これらエンターテイメント要素を表面的に捉えるだけではWWEを理解したことにはならない。WWEの根幹をなす肝心なものとはもちろんレスリング。リング上で繰り広げられるスーパースターたちによるムーブは驚くほどベーシックで、昔から変わらない向かい合いからの組み合いへと、じっくりゴング後の時が進んでいく。かつての日本のプロレスもそうだった。が、今やいきなりエルボー合戦からロープやコーナーワークに展開するのが主流になり、まるっきりスタイルチェンジしてしまった。息つく間もないハイスパートレスリングと言えば聞こえはいいが、延々とメリハリなく続く技のかけっこショーと称したほうが正直な気持ちだ。もちろん日本プロレス界の一部レスラーは十分に個性を発揮し魅せてくれているのだが・・・そこでWWEは心の穴を埋めてくれるのだ。現在の日本のプロレスに失われた動きが当たり前のように披露される。かつて日本の地上波放送で見てきた馴染みある光景が甦る。しかしこれはWWEでは日常のもの。意外なほどに展開するグラウンドワークがプロレスという特殊なレスリングがWWEのエンターテイメントの下地になっている。そんな動きを体現するスーパースターたちはルックスよし、ボディよし、コスチュームよしの華やかな個性派揃い。ひとつとして類似した内容なく次から次へとオリジナルアクションに繋ぐバリエーションのオンパレード。じっくりときらびやかに・・・まさに才色兼備なWWEの現在進行形に引き込まれていった。リングインした日本語通訳者がブーイングに追い出された10年前の同じ場所から、日本のファンはWWEを直輸入されるものとして受け入れている。ステージ演出を最小限に抑えたハウスショーで、テレビショーでは見せきれないWWEのレスリングが堪能できる。入退場時にはスタンディング、カウントに声を合わせ、アクションに呼応し、コールを叫び、ブーイングを飛ばす。プロレスの理想の楽しみ方、ライブの醍醐味がWWEに詰まっている。あえてスーパースターの名を一つも挙げずにここまで書いたが、それはWWEというブランド自体を信頼しきれるから。まだまだ食わず嫌いの方も多くいるだろうが、年に一度の来日ライブを体感すれば必ずや明らかなる“違い”を知ってもらえるはずだ。そしてそれはプロレスというエンターテイメントの基本形だということを確認することにもなる。

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